水路の通水確保と、取り除いた筋鮭の取扱いのお願い
秋になると、天鏡原から筋鮭(きんじゃけ)が遡上します。
筋鮭は、発達した胸びれと尾の力で大滝を背泳ぎで登る、常水固有の魚です。一方、体幅が広く方向転換を不得手とするため、町内の水路の曲がり角や狭い箇所で動けなくなることがあります。
通水を妨げている筋鮭を見つけた場合は、以下の案内に沿って取り除いてください。取り除いた筋鮭は、所定の範囲内で各家庭の食用として持ち帰ることができます。
頭が通っても、胴が通るとは限りません。
筋鮭とは

| 生息地 | 天鏡原の澪および親洲の崖下の滝つぼ |
|---|---|
| 成魚の | おおむね80〜110 cm |
| 外見 | 銀色の鱗、厚い背、太い尾の付け根、著しく発達した胸びれ |
| 食性 | 小さな甲殻類や水生昆虫 |
| 遡上の | 親洲の冷たい湧水路での産卵 |
| 遡上時の | 背を滝側、腹を外側へ向け、頭を上にして登る背泳ぎ |
| 性質 | 温厚ですが、進行方向を容易には変えません |
遡上時は背を滝側に向け、発達した胸びれと尾を動かして、水流に逆らいほぼ直線に泳ぎ登ります。この背泳ぎによる大滝の遡上は、筋鮭特有の能力です。
背泳ぎで大滝を登る能力は、町内の曲がり角を通過できることを保証するものではありません。
取り除く必要がある状態
次のような場合は、取り除きの対象となります。
- 胴や胸びれが両岸に挟まり、前後に動けない。
- 曲がり角で止まり、落ち葉や枝が体の上流側に溜まっている。
- 筋鮭の上流側で水位が上がり、下流側の流れが弱くなっている。
- 水門や取水口に挟まり、通水を妨げている。

広い場所で休んでいる個体や、問題なく泳いでいる個体は対象ではありません。
筋鮭の表情から、救援の要否を判断しないでください。通常時も、挟まっているときも、ほぼ同じ顔をしています。

筋鮭の取り除き方
1.通水の状態を確認する
水位、流れの強さ、足場を確認してください。水門の内部や滝の周辺など、足場が確保できない場所では作業せず、水番へ知らせてください。
2.道具を用意する
幅のある丈夫なタモ網と、個体を収められる桶を用意してください。
筋鮭は、見た目から予想するより重い場合があります。持ち上げる前に、桶の大きさも確認してください。
3.挟まった体を戻す
タモ網で腹側を支え、入ってきた方向へ少しずつ戻してください。胸びれが引っ掛かっている場合は、岸から外してから体を動かします。
胸びれを取っ手として使用しないでください。
尾だけを引くことや、曲がり角に押し込むことも避けてください。
4.桶へ移し、水路を確認する
体全体を支えて桶へ移してください。取り除いた後は、溜まった落ち葉や枝を片付け、水が流れることを確認します。
同じ箇所で繰り返し詰まる場合は、水路の改修を検討するため、水番へ場所をお知らせください。
持ち帰りの上限
乱獲を防ぐため、取り除いた筋鮭の持ち帰りは、次の上限を守ってください。
| 区分 | 上限 | 手続き |
|---|---|---|
| 一般家庭 | 1世帯につき1週間に1匹まで | 届出不要。持ち帰った日を記録してください |
| 飲食店 | 届出済みの1店舗につき1日3匹まで | 事前の届出と、引取記録の保管が必要です |
一般家庭の「1週間」は、月曜日から日曜日までとします。世帯員がそれぞれ1匹ずつ持ち帰ることはできません。週をまたぐ上限の繰越しもできません。
上限は、持ち帰れる匹数の上限です。通水確保のための取り除き作業を制限するものではありません。
上限に達した後に取り除いた筋鮭は、水番へ引き渡してください。生きた個体は、状態に応じて遡上を続けられる広い水路へ移します。取り除いた場所のすぐ上流に戻すと、同じ箇所に再び詰まることがあります。
捕獲のために水路を狭めたり、板や石で筋鮭を意図的に詰まらせたりする行為は禁止します。
飲食店の届出について
取り除いた筋鮭を店舗で使用する場合は、「筋鮭引取届」を提出してください。
届出には、次の事項を記載します。
- 店舗名、所在地、責任者名
- 引取りを行う水路または地区
- 使用する運搬容器と保管場所
- 主な調理方法
引取記録には、日付、場所、匹数を記載してください。
届出による上限は、店舗全体で1日3匹です。従業員数、席数、胸びれの太さによる加算はありません。
筋鮭のおいしい食べ方
筋鮭は身の層が厚く、加熱すると大きくほぐれるのが特徴です。背の厚い部分は焼き物に、胸びれの付け根は煮物に向いています。

厚切り味噌焼き
材料・2人分
筋鮭の切り身2切れ、味噌大さじ2、みりん大さじ1、酒大さじ1。
- 切り身の水分を拭き取ります。
- 味噌、みりん、酒を混ぜ、切り身に薄く塗ります。
- 冷蔵で30分ほど置き、表面の味噌を軽くぬぐいます。
- 弱めの火で焼き、厚い部分の中心まで十分に火を通します。
大根おろしや柑橘を添えると、味噌の香ばしさと身の甘みを楽しめます。
表面の焼き色だけで判断しないでください。筋鮭には、まだ奥があります。
胸びれの付け根と大根の生姜煮
身の厚い付け根を、大根、生姜、酒、醤油、みりんとともに煮ます。骨やひれを外しながら、ほぐれた身をお召し上がりください。
付け根まで利用することを推奨しますが、筋肉の形を残して盛り付ける必要はありません。
筋鮭と茸の炊き込みご飯
加熱した身をほぐし、骨を除いて、茸とともに炊き込みます。一度に食べ切れない分は、小分けにして保存してください。
1匹を取り除いた日に、1匹を食べ切る義務はありません。
よくある質問
- 動かず、こちらを見ています。怒っていますか。
- 表情だけでは判断できません。まず、胸びれと胴が岸に挟まっていないか確認してください。
- 大滝を登れるなら、自力で抜けられるのではありませんか。
- 上へ進む能力と、横へ曲がる能力は異なります。
- 取り除いた後、また同じ場所に戻ってきました。
- 同じ個体である可能性があります。繰り返し詰まる場合は、水番へ引き渡してください。
- 半分だけ持ち帰れば、半匹として数えられますか。
- 分割しても1匹として扱います。
- 家族が増えたので、今週だけ2匹持ち帰れますか。
- 世帯人数による加算はありません。1匹を分けてご利用ください。
水番への連絡
次の場合は、ご自身で作業せず、地区の水番へお知らせください。
- 一度に複数の筋鮭が詰まっている。
- 水位が急に上がっている。
- 水門、暗渠、滝の付近にいる。
- 網や桶に収まらない。
連絡時は、場所、匹数、水の流れの状態をお伝えください。筋鮭の表情についての報告は不要です。
